退職を考えているけれど、迷っている・・・。そんな経験は誰しもがあるはずです。仕事に悩み、もっと良い環境で働きたいと願う気持ちは、自分自身のキャリアやライフスタイルを向上させようとする前向きなエネルギーの証です。
しかしながら、「退職」という選択は大きな決断。それは新たな環境へ踏み出すことを意味するだけではなく、今の環境を諦めることでもあるからです。だからこそ、退職を真剣に考える際には、冷静になって自分自身と向き合うことが必要です。
上司に相談すれば、当然ながら引き止められる。一方、転職エージェントに相談すると転職を進められる。そんな状況に迷いや不安を感じているあなたへ「退職するかどうか迷った時の５つの確認ポイント」をご紹介します。
それぞれのポイントについて深く考え、自分の心の声に耳を傾けてください。これらのポイントはあなたが正しい決断をするための一助になるものです。
それではひとつひとつ見ていきましょう。
１、キャリアパスと将来像
「退職するか、現職を続けるか」という決断をする時、あなた自身のキャリアパスと将来像は重要な考慮ポイントです。キャリアパスとは、自分が今後進むべき道筋、将来像とはそれを通じて実現したい自分の姿を指します。
ひとつには「成長の可能性」があります。現在の職場で自分が成長できると感じているなら、そこに留まる理由となるでしょう。しかし逆に成長の見込みがないと感じている場合、新たに飛び込む勇気が求められます。
また、「将来のビジョン」も大切です。自分がどういった職種や役職につきたいのか、どんなスキルを身に付けたいのかといったビジョンが明確であれば、それに向けての行動が見えてきます。それが現在の職場で実現可能かどうかを考えることで、退職の判断もしやすくなるでしょう。
これらの要素を踏まえ、自分自身のキャリアパスと将来像を描くことで退職するかどうかという重要な決断に向き合うことができます。
２、仕事のやりがい
「仕事のやりがい」とはなんでしょうか。これは単に給与や評価だけではなく、私たちが日々の業務に対して感じる充実感や達成感、喜びのこと指します。自分のスキルや知識を活かすことで生まれた成功体験だったり、チームとして成果を上げた瞬間だったりします。
しかし、この「やりがい」を見つけるのは簡単なことではありません。 なぜなら、それは非常に主観的で、人それぞれの価値観や目標に強く依存するからです。
そこで、「やりがい」を見つけるためには、まずは自己理解が重要です。自分が何に興奮するのか、何に情熱を感じるのかを理解することから始めてみましょう。自己分析の一環として、自分が過去に経験した「やりがいを感じた瞬間」を思い出し、その時自分をそう感じさせたものを深く探ることも有効です。
次に、自分のスキルや強み、興味が仕事のどの部分と一致しているのかを確認します。これにより、自分の仕事における「やりがい」の源泉を明確にすることができます。
最後に、自分の「やりがい」が周囲と共有できる状況を作ることが重要です。 周囲の理解とサポートがあることで、仕事の「やりがい」はさらに高まります。
「やりがい」は仕事の満足度を高め、生産性を向上させます。 だからこそ、自分自身の「やりがい」を見つけることは、キャリア選択において重要な一歩となります。
３、職場環境と人間関係
働く場所に関して、「仕事内容」だけが重要なわけではありません。 職場環境や人間関係も大きな役割を果たします。 ここでいう「職場環境」は、物理的な作業環境だけでなく、社風や組織文化、チームの雰囲気なども含まれます。
一方、人間関係は、同僚や上司、部下とのコミュニケーションの質や深さを疎かにします。これらはストレスの軽減にもなりますし、逆に職場での満足度を高める要素にもなります。
まず、職場環境は、自分が仕事に集中できるか、また、創造性や生産性を発揮できるかに大きく影響します。オープンスペースでの仕事が苦手な人には個別の作業スペースがある環境、また、フレキシブルな勤務体制やリモートワークが可能な企業は、ワークライフバランスを重視する人にとって魅力的であろう。
次に、人間関係もまた重要です。良好な人間関係は職場でのストレスを軽減し、チームワークを向上させます。逆に、対人関係のトラブルは仕事のパフォーマンスを低下させ、離職の一因となります得ます。
これらを考慮して、自分の働きやすさやキャリアの成長を考える際には、職場環境や人間関係も重要なポイントとして評価すべきです。軽視できない要素です。
４、スキルと市場価値
キャリアを考える上で重要な要素の一つが、「スキルと市場価値」です。スキルとは、あなたが身につけてきた知識や経験を活かせる能力のこと。市場価値とは、そのスキルが社会や組織、市場でどの程度評価されるか、つまり「需要」の高さです。
まず、スキルについて考えてみましょう。現在の仕事で必要とされているスキルは、未来のキャリアにとって有利となるでしょうか？それとも新たなスキルを習得することで、より広い視野や可能性を持つことができるでしょうか？
次に市場価値です。スキルがあってもそれが市場で評価されなければ価値は生まれません。自分の持っているスキルが、現在の市場でどの程度求められているかを把握することが重要です。
これらを高める為に、現状の職場環境が最適なのか、それとも新たな環境でスキルを磨き市場価値を上げるべきなのか、自分自身にとって最適な道を選びましょう。
５、ワーク・ライフ・バランス
一般的に、良好なワークライフバランスとは仕事の生産性を維持しつつ、プライベートの時間も十分に確保し、身体的、精神的健康を維持する状態を指します。しかし、これが最適に保たれていない場合は、過労やストレスによる健康障害、家庭生活や趣味への影響、モチベーションの低下などの問題が生じる可能性があります。
あなたのワークライフバランスは適切に保たれていますか？例えば残業は週何時間程度ですか？（全業種平均は月25時間程度）、有給休暇はきちんととれていますか？（全業種平均は年9日程度）、また仕事以外の時間で自分のために時間を持つことができていますか？これらの点を振り返ってみて、自分のワークライフバランスを評価してみてください。
退職を考える際はワークライフバランスを見直すことも重要です。あなたが望むワークライフバランスが現在の職場で実現可能か、それとも新たな職場で求めるバランスを追求すべきか、これは一人一人異なる答えになります。
ここで問題になるのは、「あなたの望むワークライフバランスとは何か？」ということです。これはあくまで個々人の価値観やライフスタイルに依存しますので、自分自身が最も大切にしたい価値を再認識することが大切です。
まとめ
以上、退職を考える際に自己チェックしてみて欲しい五つのポイントをご紹介しました。これらのポイントは完全な答えを出すものではなく、あくまで自己理解を深め、適切な決断をするための一助となるものです。
退職するかどうか迷っているあなたへ。自分自身と向き合い、自分だけの答えを見つけてください。そしてその答えが、あなたのこれからのキャリアをより良いものするための一歩になることを祈っております。
